「安定」「堅実」というイメージが強かった公務員。
しかし、近年では公務員の人気低下がおこっています。
なぜ公務員の人気が低下しているのでしょうか…?
今回の内容は、
- 公務員の人気低下の実態:なぜ起きているのか?
- 公務員の人気が低下している主な理由と背景
- 公務員の人気低下がもたらす影響と今後について
について解説します!
公務員を目指している方や、公務員の現状に興味がある方は、ぜひ読み進めてみてください!
公務員の人気低下はなぜ起きているのか?

公務員の人気低下は、実際のデータからも、その実態が明らかになっています。
ここでは、公務員試験の倍率低下や採用予定数割れの現状、地方公務員における人手不足の深刻化、そして公務員試験の競争率や倍率の推移について見ていきましょう。
公務員試験の倍率低下と採用予定数割れの現状
かつては狭き門と言われた公務員試験ですが、近年では倍率の低下が顕著になっています。
2023年度の採用試験では、47都道府県のうち45都道府県で採用予定数割れが発生しました。
※引用サイト➤選挙ドットコム
特に技術職や専門職での採用難が目立っており、インフラ整備や災害対応にも影響を及ぼしかねない状況となっています。
地方公務員における人手不足と定員割れの深刻化
地方公務員の人手不足は、特に深刻な問題となっています。
少子高齢化による人口減少が進む中、地方自治体では計画通りの採用ができなくなるケースが増えています。
例えば、年間出生数が10人未満の自治体が128もあり、将来的に公務員試験の受験者不足に陥る可能性が高くなっています。
引用サイト➤東洋経済
公務員試験の競争率や倍率の推移
公務員試験の競争率や倍率は、ここ数年で大きく変化しています。
かつては10倍以上の高倍率が当たり前でしたが、最近では3倍を下回る職種も珍しくありません。
引用サイト➤LEC東京リーガルマインド・Biz Robo
特に地方公務員の土木職などでは、定員割れが深刻です。
引用サイト➤日本総研
この倍率低下の背景には、少子化による受験者母数の減少や、民間企業の採用増加などが影響していると考えられます。
公務員の人気が低下している主な理由と背景

ここでは、公務員の人気低下が発生している主な理由と背景について詳しく見ていきましょう。
若者の価値観と働き方の変化
近年の若者は、「安定」よりも「やりがい」や「成長機会」を重視する傾向があります。
公務員の仕事は安定している一方で、業務内容がルーチン化しやすく、変化の少ない環境に魅力を感じにくい人が増えています。
また、ワークライフバランスや柔軟な働き方を求める若者にとって、公務員の硬直的な勤務体系は魅力的に映らないケースも多いようです。
民間企業との待遇格差の縮小
かつては公務員の方が給与水準が高いとされていましたが、近年では民間企業との格差が縮小しています。
特にIT業界やベンチャー企業では、スキルや成果に応じた昇給やキャリアの可能性が広がっており、挑戦を求める若者がそちらに流れやすくなっています。
また、民間企業の福利厚生の充実も、公務員の相対的な魅力低下につながっているといえるでしょう。
公務員の仕事に対する魅力の低下
公務員の仕事自体の魅力が低下していることも、人気低下の一因となっています。
具体的には以下のような要因が挙げられます。
ルーチン化しやすい業務内容と変化の少ない環境
公務員の仕事は、法令や規則に基づいて行われるため、業務内容がルーチン化しやすいです。
また、組織の性質上、急激な変化や革新的な取り組みが行いにくい環境にあります。
このような環境が、変化や挑戦を求める若者にとって魅力的に映らない要因となっています。
硬直した組織文化と柔軟性の欠如
公務員組織は、意思決定のプロセスが複雑で時間がかかることが多いです。
また、前例踏襲主義や縦割り組織の弊害も指摘されています。
このような硬直した組織文化や柔軟性の欠如が、若者の価値観とマッチしにくくなっている可能性が高いです。
年功序列型給与体系による若手のモチベーション低下
公務員の給与体系は、依然として年功序列型です。
これは、若手のうちは給与が低く抑えられ、能力や成果が給与に反映されにくいことを意味します。
成果主義を重視する若者にとって、このような給与体系はモチベーションを低下させる要因となっています。

とくに優秀な人ほど成果主義を求めますから…
公務員試験対策の負担と採用時期の遅さ
公務員試験の準備には多大な時間と労力がかかります。
多くの受験科目と専門的な知識が必要とされるため、受験者にとって大きな負担となっています。
また、民間企業に比べて採用活動の時期が遅いことも、公務員離れの一因となっています。
早期に内定をもらいたい学生にとって、公務員試験のタイミングは不利に働く可能性があるのです。

魅力的な民間企業があると、そっちの方が内定が早いから流れちゃうよね…
誰でも早く内定は欲しいもの…
公務員の人気低下がもたらす影響と今後について

公務員の人気低下は、さまざまな社会的影響をもたらす可能性があります。
ここでは、その影響と今後の展望について考えてみましょう。
災害対応や行政サービスへの懸念
公務員の人手不足は、災害対応や行政サービスの質の低下につながる可能性があります。
特に技術職や専門職の不足は、インフラ整備や防災対策に直接的な影響を与えかねません。
また、住民サービスの低下や対応の遅れなども懸念されます。
残業や休日出勤の増加による労働環境の悪化
人手不足は、現職である公務員の労働環境にも影響を及ぼします。
残業や休日出勤の増加、業務の過密化などが予想され、公務員のワークライフバランスがさらに悪化する可能性があります。
これは、さらなる公務員離れを招く悪循環につながりかねません。
技術職・専門職の不足によるインフラ整備への影響
特に深刻なのが、技術職や専門職の不足です。
土木職などの技術系職種では、すでに深刻な人手不足が起きています。
これは、道路や橋梁、上下水道などのインフラ整備や維持管理に大きな影響を与える可能性があります。

長期的にみると、地域の安全性や生活の質にも問題が発生しそうですね
公務員人気回復への取り組み
このような状況を改善するため、各自治体では様々な取り組みを行っています。
採用方法の見直しと待遇改善の動き
一部の自治体では、採用試験の科目数を減らしたり、民間企業経験者の中途採用を増やすなどの対策を講じています。
また、給与体系の見直しや、能力・成果に応じた昇進制度の導入なども検討されています。
若者のニーズに合わせた職場環境の改革
働き方改革の一環として、フレックスタイム制の導入や在宅勤務の推進など、柔軟な勤務形態を取り入れる自治体も増えているようです。
また、若手職員の意見を積極的に取り入れる仕組みづくりや、研修制度の充実なども進められています。
公務員の役割と魅力の再定義
公務員の仕事の意義や社会貢献度の高さを改めてアピールする取り組みも行われています。
地域の課題解決に直接関わることができる点や、多様な業務経験を通じたスキルアップの機会など、公務員ならではの魅力を再定義し、それを発信することを続けられています。
このような取り組みで、公務員の魅力を改めて高くし、人材確保につなげていくことが今後の課題となっています。
公務員の役割と魅力が評価され、若者にとって魅力的な職業選択肢の一つとなることが、持続可能な行政サービスの提供につながるのではないでしょうか。
まとめ
今回は、
・公務員の人気低下の実態:なぜ起きているのか?
・公務員の人気が低下している主な理由と背景
・公務員の人気低下がもたらす影響と今後について
について解説しました!
公務員の人気が低下している実態が少しわかってきたでしょうか?
といっても公務員なのでやはり安定はしますし、退職時の退職金が多いのはかなりの魅力!
今後の人生で挑戦をとるか、安定をとるか…
この記事が人生の分岐点での参考になれば幸いです!