勉強していると、
「この名前、昨日勉強したのに誰だっけ?」
「あたまではイメージできているのに単語がでてこない…」
という経験、誰にでもあるのではないでしょうか?
私も、会話の途中で単語が喉のあたりまで来ているのに出てこない…
という経験がよくあります。
普段の生活では「まあいいか」とか「調べよう」で終わってしまいますが、大事な発表中や試験本番でど忘れしてしまうと悔やんでも悔やみきれません!
そんなド忘れを予防するためには、脳の忘却メカニズムを知ることが重要です!
大事な本番の前に原因を知って対策しておきましょう!
今回の内容はこちら、
・記憶を忘れるメカニズム
・忘れないようにするための対策方法
それでは見ていきましょう!
記憶を忘れるメカニズムは?エビングハウスの忘却曲線
はじめに記憶を忘れるメカニズムについてお話していきます!
忘れると言えば「エビングハウスの忘却曲線」が有名です。
エビングハウスの忘却曲線とは
ドイツの心理学者エビングハウスの実験で、記憶はどのくらいのスピードで忘れていくのかという
実験を行い、どれくらい時間が経つと、どれくらい忘れるのかを曲線グラフにしたもの。
エビングハウスの忘却曲線を簡単にまとめると…
・1時間後… 50%を忘れる
・24時間後… 70%を忘れる
・1カ月後… ほとんど忘れる
え!?1カ月後にはほとんど忘れるの?
そう!だから反復が大事だと言われているよ!
なので、一夜漬けで覚えようとしても記憶が定着しないのは、覚えた瞬間から忘れていくのが理由で、だからこそ覚えるためには繰り返し学習することが重要なんです!
さらに言うと、「繰り返し」のほかに「復習のタイミング」が大切と言われています!
忘却のメカニズム
忘却のメカニズムとして、下記のような現象で記憶がなくなっていくと考えられています。
減衰説:脳内の活動が徐々に弱くなり、時間の経過とともに自然に記憶が消えていくという説。
干渉説:新しい記憶が古い記憶を妨害し、古い記憶が忘れられるという説。
抑圧: 嫌な事、トラウマ的な記憶など意識的に思い出したくない記憶を無意識に抑え込む。
動機づけによる忘却: 覚えたくない情報、役に立たない情報は意図的に忘れることもある。
再構成: 記憶は、思い出されるたびに再構成され元の記憶とは異なるものになる事がある。
脳損傷: 脳の特定部位が損傷されると、記憶障害が起こり特定の記憶が失われる事がある。
主に減衰説と干渉説が主な忘却の要因と言われています。
私は干渉説が多そう…新しいものを覚えると古いものがなくなってる気がする!
受験生とか仕事で忙しい人は干渉説が多そうだね!
でも覚えておかなければならないモノばかりなんだけど、どうしたら忘れるを防げるの?全部覚える方法はないのかな?
でも忘れるのは人間の防衛本能なんだ!忘れることでバランスとってるから次で説明するね!
記憶するために忘れる!脳の仕組みとは
記憶を定着させるためには、「忘れる」ことも重要な役割を果たします。
長く覚えておくために忘れるってこと?
脳は情報を常に整理し、不要と思われる情報は忘却していくのです。
脳内の記憶の仕組み
脳の記憶は、一度に全てを覚えることはできません。
脳は情報を処理する際に、その重要性や関連性に応じて優先度を付けて情報を記憶します。
ここで脳の仕組みについて触れていきます!
脳のは下記のような構造になっています。
1.海馬: 新しい情報を一時的に記憶する場所
2.大脳皮質: 長期記憶として保存する場所
3.シナプス: 神経細胞同士の接点。情報伝達が行われる場所
わかりやすく言うと…
海馬➡ルーズリーフ
大脳皮質➡本棚
シナプス➡ルーズリーフをバインダーに出し入れする作業
1.海馬(ルーズリーフ)に情報を書く。
2.繰り返し(ルーズリーフをバインダーから何度も出し入れ)
3.シナプスが強化(出し入れする作業が何度もあると)されると、情報が大脳皮質に長期記憶として保存される(バインダーを本棚に直そう)。
4.不要な情報(一度しか見ていないルーズリーフ)は、シナプスの接続が弱くなり(バインダーに出し入れしなくなり)、忘却していく(ゴミ箱に捨てられる)。
といった流れです。
このルーズリーフが俗にいう【短期記憶】
バインダーが俗にいう【中期記憶】
本棚が俗にいう【長期記憶】
と言われるものです。
忘却の役割
人間の脳の容量は決まっているので、脳は本能的に節約しようとします。
脳内の容量を節約し、新しい情報を学習するためのスペースを確保しています。
重要な情報を区別し、記憶を効率化しているということです!
記憶を定着させるための方法
記憶を定着させるためには一般的に下記の方法が有効とされています。
繰り返し: 繰り返し学習することで、シナプスが強化され、長期記憶として定着しやすくなる。
睡眠: 睡眠中に記憶が整理され、長期記憶に保存されやすくなる。
意味のある情報: 意味のある情報は、関連する知識と結びつきやすいため、長期記憶として定着しやすい。
イメージやストーリー: イメージやストーリーは、視覚や聴覚などの感覚情報を刺激するため、記憶に残りやすい。
記憶は単純な記録ではなく、重要な情報を残すために活動しています。
「忘れる」こともこの活動の一環ですので上手くコントロールする必要があるんですね!
記憶したものを忘れる順番や法則は?
では次に記憶を忘れる順番についてお伝えします。
記憶したものを忘れる順番は、単純な法則で決まっているわけではありません。
様々な要因が複雑に絡み合い、個人の記憶の内容や状況によっても大きく異なってきます。
一般的に以下の情報から忘れる傾向が見られます。
短期記憶
重要度の低い情報
感情的に弱い記憶
繰り返し行われない記憶
古い記憶
忘れる要因としては下記の通りです。
睡眠不足の影響
加齢による影響
ストレスの影響
忘れやすいもの①短期記憶
最初に忘れるのは、数秒から数十秒程度しか保持されない短期記憶です。
電話番号や住所など、一時的に覚えた情報は、すぐに忘却されます。
忘れやすいもの②重要度の低い情報
次に忘れるのは、重要度の低い情報です。
テストのために暗記した単語や、興味のない内容のニュース記事などは、すぐに記憶から消えてしまう可能性があります。
忘れやすいもの③感情的に弱い記憶
感情的に弱い記憶も、忘却されやすい傾向があります。
特に、無感情で学習した内容や、嫌な思い出などは、記憶に残りづらいと言われています。
忘れやすいもの④繰り返し行われない記憶
繰り返し思い出したり、復習したりしていない記憶は、時間の経過とともに弱くなり、忘却されます。
定期的に復習することで、記憶を長期記憶に定着させることができます。
忘れやすいもの⑤古い記憶
長期記憶の中でも、古い記憶は新しい記憶に比べて忘却されやすいと言われています。
これは、脳内の神経回路が時間の経過とともに弱くなっていくためと考えられています。
続いて忘却が促進される要因についてです。
忘れやすい要因①睡眠不足の影響
睡眠不足は記憶の定着を妨げ、忘却を促進します。
十分な睡眠時間を確保することは、記憶力維持のために重要です。
忘れやすい要因②加齢による影響
加齢とともに脳機能が低下し、記憶力も衰えます。
特に、短期記憶と中期記憶が影響を受けやすく、忘却されやすくなります。
忘れやすい要因③ストレスの影響
ストレスは脳機能に悪影響を及ぼし、記憶力低下や忘却の原因となります。
ストレスを溜めないように心がけることが重要です。
試験勉強では睡眠不足になりがちだけど、記憶力上げるには睡眠も大事なんだね…
忘れないようにするための方法は?
忘れないようにするためにはどのような方法があるのでしょうか?
記憶を定着させるためには、以下の方法が有効とされています。
忘れないようにするための工夫①復習
繰り返し思い出されることで強化される、適切なタイミングで復習を行うことが重要
復習は基本中の基本だね!
適切なタイミングとは…
最初の復習は、情報を学んだ直後に行う。
これによって、情報が短期記憶から長期記憶に移行しやすくなります。
2回目の復習は、最初の復習から約1日後に行う。
このタイミングでは、情報が一時的に忘れられている可能性が高く、再度復習することで再び記憶が活性化されます。
3回目の復習は、最初の復習から約1週間後に行う。
このタイミングでは、情報が長期記憶に定着するための重要な段階となります。
その後の復習は、徐々に間隔を広げて行うことが効果的と言われています。
例えば、2週間後、1ヶ月後、3ヶ月後などの間隔で復習を行うことで、長期的な記憶の定着を促すことができます。
忘れないようにするための工夫②睡眠
睡眠中に記憶の整理と強化が行われます。
具体的には、睡眠中は脳の浄化作用が働きます。
脳内には、日中に蓄積された老廃物や有害な物質が存在し、睡眠中にこのような脳内の不要物を排出することで、脳の状態がリセットされます。
リセットされると、情報が整理されて、脳が効率的に情報を処理し、記憶を定着させることができるのです。
睡眠中には脳の中で酸素供給が増えるため、脳の機能が活性化され、記憶力が向上すると言われています。
十分な睡眠時間を確保し、質の高い睡眠を取りましょう!
忘れないようにするための工夫③意味づけ
情報に意味を与えることで、記憶に残りやすくなります。
意味づけは脳にとっての「フック」の役割を果たします。
情報を関連づけることで、脳は「重要だ!」と思い込み、長期で記憶するようになります。
関連づけることによって、情報をより深く処理し、多くの結びつきを作ることができるのです。
意味づけされた情報の塊はあらゆるところにフックがあるので芋づる式に思い出すことが可能です!
意味づけの方法は人それぞれですが、以下の方法が効果的です!
イメージを作る: 言葉だけでなく、図やイラスト、グラフにすると脳はより具体的に情報を記憶してくれます。
ストーリーを作る: 新しい情報をストーリー化することで、脳は情報をより組織化しやすくなります。
だから童話とかストーリーだから記憶に残りやすいんだね!
個人的にはこの意味づけが最も重要と思ってます!
あらゆる難関国家資格試験に合格している方の勉強方法でもこの手法が取り入れられています!
一度やり方を覚えると一生使える手法なので特におすすめです!
忘れないようにするための工夫④感情
感情と記憶力には密接な関係があります。
実際、感情が強い出来事やエモーショナルな経験ほど、私たちは長く記憶に留めることができます。
感情が強い体験をすると、脳の特定の領域が刺激され、情報の処理と記憶の形成が強化されるということです。
感情が強い体験は、普通の出来事よりも興味を惹かれるので、そのタイミングで体験に関する出来事の情報を頭に入れると長く記憶に残るでしょう。
忘れないようにするための工夫⑤視覚化
先述した意味づけにも記載しましたが、イラストや図を用いてイメージ化することで左脳と右脳両方で記憶することができます。
文字とイメージの両輪で勉強すれば理解も早くなるし、創造力・想像力にもつながるので、文字だけを書きまくってテスト勉強をしている方には特に有効です。
まとめ
今回は記憶が忘れられるメカニズムと対策方法をお伝えしました!
私たちの周りには、生きていく上で覚えなくていいものがほとんどです。
でも、より豊かな生活を送るためには興味のないことでも覚えておかなければなりません。
そのためには記憶は必須ですが、人間は忘れる生き物…
忘れることを前提に忘れない工夫をしていかなければなりません。
記憶は時間とともに忘れられていきます。
タイミング良く復習を行うこと
意味を関連づけること
長期記憶するには意味を持たせる工夫が必要です!
今回紹介した方法を取り入れると効率よく勉強できるでしょう。
覚えたくても覚えられない…
そんな方はこちらの方法はおすすめです!
特に試験勉強にはうってつけの方法なので受験生は必見です!
ぜひご確認ください!